同じ物件を購入する場合でも、値切り交渉の最後のひと踏ん張りで、利回りを向上させることが可能です。
収益物件の購入では、どのような価格交渉をすれば物件を安く購入できるのでしょうか。
そこでこの記事では、購入時における値切り交渉のテクニックについてご紹介します。
値切りの神髄は即決・即買
不動産の投資物件の購入で、値切りのテクニックとして一番効果的なのは、即決・即買になります。
その場で「いくらなら買います」と表明し、指値をすることです。
価格交渉には色々な手法がありますが、不動産の場合には他に同じ商品がないという特殊な事情を考慮する必要があります。
例えば、家電量販店でプリンターを購入するケースを考えます。
今どきは、スマホで同じプリンターをその場で調べ、「ネットだったらいくらになっていますけど…」と店員に対して価格交渉をする人も多いと思います。
最近のリアル店舗の家電量販店では、このような価格交渉をすると、ネットよりも値段を下げてくれる店舗もふえてきました。
しかしながら、不動産の場合「全く同じ投資物件」が存在しません。そのため、「他社はいくらだからもっと下げて欲しい」というような交渉テクニックは使えないことになります。
そこで不動産購入で有効となるのが、即決・即買による指値交渉です。
売主に迷わせるという心理戦
交渉には心理戦が必要です。売主側には、元々、売りたいという心理があります。
売主側には「色々な投資物件の中から、なんとかこの物件を選んで買ってもらおう」という心理があり、判断したり迷ったりするのは買主の方だと思っています。
ところが、例えば3,000万円の物件を「2,900万円だったら、この場で契約しますよ」という流れになると、判断を相手側に突きつけることになります。
「う~ん、どうしよう」と迷うのは売主側となり、心理的な形勢が逆転します。
相手が仲介担当者であれば、「売主に相談してみます」という展開になります。
売主側にも、早く売りたいという心理があります。
相手側に「ここで値下げしないと、逃げられてしまうかも」という心理が働けば、値引きに応じる可能性は高くなるのです。
ただし、物件が売り出されてからまだ1~2週間程度だと、売主もまだ強気の状態です。そのような物件に当たってしまうと、即決交渉してもなかなか効果が発揮されないおそれはあります。
十分に調査したうえで購入すること
即決・即買をするには、十分に調査をしてから購入することが重要です。不動産会社に内覧を依頼する前に、こっそり一人で見に行くようにしてください。
そこで、良い物件だということを事前に判断したうえで、不動産会社に内覧を申し込みます。
内覧時には、あたかも初めて物件を見るような振舞いをし、即決して値切るというのがポイントです。百万円未満の端数は切り捨て、切りの良い数字をその場で突きつけます。
尚、収益物件のチラシは、物件を良く見せるために「満室想定」の「表面利回り」で表現されていることが多いです。
収益物件を購入する際は、「空室率」を加味した「実質利回り」で見ることが重要です。
現状の空室率が5%を大きく上回っているようであれば、そのような物件は検討から外すべきです。
また、満室想定の表面利回りから、空室率は5%、経費率は一般的にいわれる25%を加味したうえで、実質利回りを再計算してチェックしておくことがポイントです。
実質利回りが高過ぎたり、低過ぎたりする物件はリスクがあります。チラシの段階で、適正な利回りが確保できそうな物件を選別したうえで、即決の指値をする十分な準備をしておきましょう。
まとめ
以上、不動産投資物件の値切りテクニックをご紹介いたしました。値切り交渉は、即決・即買が効果的ですが、それには十分な準備をしたうえで、臨むことがポイントとなります。