一口にリフォームと言っても、工事内容によって金額も大きく異なるため、目的をもってリフォームすべきです。
ちょっと家賃を下げれば決まるような物件であれば、簡易なリフォームでも構いません。何をやっても空室が埋まらないような物件であれば、お金をかけて大がかりなリフォームを検討する必要があります。
ここでは、リフォームの種類として「原状回復に近いリフォーム」、「少額リフォーム」、「デザインフルリフォーム」の3つについてご紹介します。
原状回復に近いリフォーム
築10年を過ぎるころになると、徐々に建物設備が他の新築物件と比較すると見劣りし始めます。
空室が2~3ヶ月で埋まっていたものが、半年以上経ってもなかなか埋まらなくなり始めるのがこの時期です。
この時期のリフォームとしては、入居者の退去時に、クロスやフローリングを全部張り替える、蛇口やシャワーヘッド等の水栓金具を交換する等の対処が必要になってきます。また給湯器等の設備を換えていく必要があります。
原状回復に近いリフォームは、”やって当たり前”のリフォームであるため、家賃アップ等の効果はあまり期待できません。ただし、やらないと建物価値が落ちる一方であるため、少しずつ手を加えていく必要があります。
後で大きな負担となることを避けるため、設備はちょっとずつ最新のものにしていくのが良いでしょう。
少額リフォーム
建物をバリューアップする方法は、必ずしもフルリフォームだけではありません。少額のリフォームでも考えながら実践することで、建物の価値を上げることは可能です。
例えば、ワンルームマンションなどは慢性的に収納が不足しているため、壁に簡易な吊戸棚や玄関にコート掛け等を設置すると収納がふえ、入居希望者の目を引きます。
また、洗面所とバスがユニットとなっているような場合、キッチンや玄関等に鏡を付けてあげるだけでも喜ばれます。
さらに、大規模修繕の中でも、外壁塗装は比較的費用が安い部類ですが、入居率改善に効果があります。
建物の外壁塗装をし直すと、建物全体が新しく見える効果が生じるため、募集状況は少し改善していきます。
その他、共用部に関しては、バイク置場の新設や防犯カメラの設置も費用対効果の高いリフォームになります。
少額リフォームは、空室対策的が主な目的のリフォームであるため、入居率の改善には一定の効果を上げます。ただし、少額リフォームでは家賃アップまでは見込めない場合が多いです。
デザインフルリフォーム
アパートも相当に古くなると、何をしても空室が埋まらない状況に陥ります。このような状況に陥った場合は、フルリフォームが必要となる可能性があります。
しかしながら、築年数が経過している中で、普通の新築のようにリフォームしてもなかなか入居者希望者の目を引くことは難しいです。
入居者は3~4物件程度を同時並行で検討するため、古い物件をただ綺麗にしただけの物件にはあまり魅力を感じないためです。
そのため、この段階でリフォームの効果を上げるためには、内装デザインを思い切って変える必要があります。
リフォームを普通のリフォーム業者に依頼するのではなく、デザイナーをしっかり入れて根本的にリフォームすることをおすすめします。このようなリフォームはリノベーションとも言います。
デザインリフォームまで行うと、空室改善はおろか賃料アップも見込めることができます。
リフォームは、ありきたりのものでは賃料アップまでの効果は見込めません。デザインを刷新するようなリフォームまで踏み込むと、一定の効果が生まれてきます。
まとめ
以上、3つのリフォームのその効果について見てきました。リフォームは必ずしもすぐに効果が出るものではありません。物件の状況を見てお金のかけ方を変えて対応することがポイントです。