アパートを建てるための土地や、既存のアパートを購入する前に、その物件に関する詳細な情報を集める必要があります。隣の敷地との境界線を明らかにする測量図や、土地建物の権利関係が書かれている登記簿謄本、その土地の地価を知るための路線価など、さまざまな情報が必要です。これらの資料を入手するためには、どうすればいいでしょうか?
物件の権利関係を知るための登記簿謄本
マガ男:土地や建物を購入する場合は、「その物件を所有しているのが誰か」「抵当権が設定されていないか」などを調べなければならないんですよね?
タテ吉:そうだよ。「僕の土地なんです、買ってください」とマガ男君のもとにやってきた人が、その土地と何の関係もない第三者だったり、もしかすると銀行に差し押さえられるリスクのある土地だったりしたら、マガ男君も考えるよね?
マガ男:はい。でも登記簿謄本の取り方なんて、僕はまったく知らなくて……。
法務局やインターネットで入手することが可能
タテ吉:登記簿謄本は法務局で一筆当たりの費用を支払うことで取得できるよ。法務局には土地と建物の情報が別に登録されている。土地の情報を調べるには「地番」が、建物については「家屋番号」が必要だ。ただし、地番や家屋番号が不明でも、法務局の職員に相談すれば、調べる方法があるのであきらめることはない。
マガ男:法務局なんて行ったことがないし、気になる土地や建物が見つかるたびに、法務局へ行くのも大変ですよね。
タテ吉:法務局にオンライン申請をすることもできるし、「インターネット登記情報提供サービス」を使って自宅にいながら調べることもできるから、そう心配はいらないよ。
注:インターネット登記情報提供サービス http://www1.touki.or.jp/
物件の測量図を手に入れるには
マガ男:以前に、隣の物件との境界線についてお話を伺いました。興味のわいた物件の境界線について知るには、どうすればいいのでしょうか?
タテ吉:不動産会社が「測量図」を提供してくれることが多いので、それを手掛かりにするといいね。法務局でも測量図を入手することができる。ただし、法務局に複数の測量図が登記されている場合や、逆に一度も測量を行ったことがなく測量図そのものが存在しない、というケースもあるので注意が必要だ。
マガ男:そんなこともあるのですか? 特に測量図がない場合はどうすればいいのでしょうか?
測量を行ったことがない土地を売買するときは
タテ吉:もしも測量図がない場合は、現地で改めて実測測量を行う方法があるけれど、測量費用がかかってしまう。そのため、公簿面積で売買するという選択をするケースも多いね。
マガ男:登記簿に書かれている権利関係も大事ですが、測量が行われているか、測量図はあるかということも大事なんですね。
土地の相場を調べるには路線価を知ろう
マガ男:測量図で土地の面積を調べることができて、そのあたりの土地の相場がわかれば、どのくらいの価格でその土地を購入すべきかが計算できますね。
タテ吉:そうだね。その周辺の地域で、土地売買の相場を調べるためには「路線価」を調べるといいよ。路線価は本来、その土地の相続税評価額を算出するためのものだけれど、土地の売買をする場合の相場や、銀行などで担保としての評価をする際にも路線価が使われることが多いんだ。
マガ男:路線価はどうやって調べればいいのでしょうか?
税務署や国税庁ホームページで調査できる
タテ吉:近くの税務署に行ってみるといい。「路線価図」があって、全国の路線価が閲覧できるようになっているよ。アパート経営を始めると税務署との関係が深まるから、こういう機会に税務署に出向くのも良い方法だよ。国税庁ホームページでも路線価を調査することができる。
マガ男:こうしてみると、確認しなければいけないことがたくさんありますね。
タテ吉:マガ男君が「ここでアパートを経営したい」と思える物件を見つけるまで、たくさんの物件の情報を調べなければならない。だから、効率よく情報収集をしていくことが大切になるね。