盛況な投資市場のニュースを聞く度に「俺もやってみようかな」と思ったことはありませんか?でも実際に投資について調べてみると、難しい言葉が多く、結局諦めてしまったという方も多いのでは?
今回は投資の中でも代表的な不動産投資と株式投資の2つに焦点を絞り、メリットとデメリットをご紹介させていただきます。この機会に、あなたの資産状況に合ったプランを見つけて、投資にチャレンジされてみてはいかがでしょうか?
不動産投資と株式投資 それぞれの特徴
不動産投資と株式投資。同じ「投資」というジャンルですが、必要な金銭や投資の仕方、その性格は全く異なります。
ニュースなどでも目にすることが多い不動産投資と株式投資ですが、いまいち違いがわからないという方のために、まずは両者の特徴をご紹介させていただきます。
不動産と株式から見る利益計算
不動産投資は「利回り」で計算
不動産投資と株式投資は利益の捉え方が異なります。まず不動産投資は、一般的に利益を表すために「利回り率」という指標が使われます。購入した不動産を賃貸に出した時の収入が、不動産購入額の何%にあたるかという指標です。
例えば1500万円で購入した全5戸の物件を、毎月5万円で貸し出し、満室だった場合
・5万円(毎月の家賃)×5(戸数)×12(ヶ月)=300万円(年間収益)
・300万円(年間)÷1500万円(物件購入費用)=20%(利率)
になります。一般的に利回りが10%を越えると、魅力的な物件だと判断されています。(ただし、この計算式は表面利回りであることに注意が必要です)
株式投資は「価格差」で計算
株式投資の場合は、投資した株がどれだけ値上がりしたかという価格差で表されます。
例えば、2014年10月に1株5000円のA社の株を200株購入し、2015年10月に1株6000円に値上がりした場合
・2014年10月:5000円×200株=100万円
・2015年10月:6000円×200株=120万円
120万円−100万円=20万円(収益)という計算方法を使います。
一概に「投資」といっても、不動産投資は金融資産を一定期間運用したときに発生する利子所得(インカムゲイン)、一方の株式投資は株式など資産価格の上昇による利益所得(キャピタルゲイン)という性質の違いがあります。
売却の手軽さが株式投資の魅力
投資を行った際、必ずしも当初の目論見通りのリターンが得られるわけではありません。もし何らかの事情で「売却したい」と思った時、株式投資の方が「損切り」しやすい傾向があります。
株式は、もし大量に保有していた場合でも、数10万円単位に分割して取引することができ、価格の急降下など特別な事情がない限り、常に買い手が存在します。
一方の不動産は一度購入すると、買い手の価格や立地などの好みがさまざまで、売却先が探しにくい傾向があります。予想以上に入居者が入らず、不動産の売却もできないという借金体質が続いてしまう状況にもなりかねません。
不動産投資を行ううえでは、その特性を十分に理解し、実際の物件を見て慎重に見極める必要があります。株券は会社がもし倒産してしまったら価値がなくなってしまいますが、不動産はどんなに古く、価値がなくなっても無価値にはなりません。
そして、現在購入を検討している不動産の将来的な収益も社会情勢や近隣の状態などからある程度は予想可能です。購入の際はきちんと見極めて、自身の投資プランにあった不動産を吟味するようにしましょう
不動産投資ならレバレッジでの高リターンも
手持ち資金額以上の投資を行い、より多くの利益を得たい場合もあるでしょう。借り入れなどを使って自己資金以上の資金を手に入れ、将来的により大きな利益を手に入れる「レバレッジ」と呼ばれる手法が、不動産投資では行いやすいメリットがあります。
銀行から融資が比較的得られやすい不動産投資を使えば、「レバレッジ」の最大の魅力である小さな資本の大きな投資が簡単に実現でき、将来的に自己資本額だけでは実現できなかった多額の利回りを享受できるメリットがあります。
株式でも信用取引を使えば、自己資金額以上の株式投資をすることができるようになります。
例えば、手持ち資本金の3倍の資金運用(レバレッジ)や、「売りポジション」と呼ばれる手持ちの資産を値下がり前に売却し、値下がりした時点で買い戻す方法も利用できるようになりますが、構造が複雑なため、かなりの深い知識が要求されます。
→しくじり大家に学ぶアパート経営① 「レバレッジを利かせすぎた大家さん」
税制上の優遇
不動産投資を行う最大限のメリットが、税制上の優遇が得られることです。
例えば、毎年不動産のある市町村に支払わければいけない固定資産税。
土地の時価にあたる固定資産税評価額×税率1.4%
という計算式で算出されます。固定資産税評価額は、だいたい実際取引額の60%から70%で評価されることが多く、資産を現金から不動産に変えるだけで課税対象額を減らせます。さらに宅地面積などに応じて、課税標準が軽減される特例が複数用意されており、納税額を大幅に抑えることも可能です。
株式投資では、売買での収益や配当、株の値上がり値に対しても所得税が課税されます。その税率は20%。所得税率が10%になる軽減税率が2013年に廃止されてしまったため、現在の制度では課税額が増えてしまいやすい傾向にあります。
利益率が高いのはどっち?
投資を考えたことがある人なら、一度くらいは一攫千金に憧れたことがあるのではないでしょうか?
市場価格よりも安値のものを見つけ、高く売る。誰しもが思いつく手法ですが、コンピューターなどを使って24時間世界各国から監視されている株式市場においては、非常に難しい状況です。
不動産においては、外国人投資家がリゾート地の不動産を大量にまとめ買いする現象も見られますが、これはごく一部で、株と比較するとローカルな市場で動いています。
IT化も進みつつある不動産市場ですが、現在はインターネット上での不動産の取引売買は認められておらず、業者と対面し、物件に関する重要事項の説明、契約書面の交付を受ける必要があります。
実際の移動が必要な点から、海外投資家にとってハードルは高く、不動産市場の方がよりクローズドな傾向があると言えるでしょう。
また長年住んでいるなどの土地勘があれば、より掘り出し物の物件を見つけやすい傾向にあります。その物件が所在するエリアに合った運用を行えば、自身の物件の利回りをあげることも可能です。
終わりに
投資の代表例として語られることが多い不動産と株式ですが、その性格や特徴は大きく異なり、その性格を十分に理解した運用が求められます。自身の財政状況と相談しながら、大胆な決断と、慎重な運用計画を心がけましょう。