「先んずれば人を制す」という言葉があります。これは不動産投資においても非常に重要なポイントを教えていると言えます。これから需要が高まるエリアを、地価が安いうちに購入できれば利回りの向上につながりますし、良い物件を押さえやすくなります。
早めに情報を集めて、自分で投資するエリアを選ぶことは、不動産投資家にとって必須とも言える能力です。そこで今、需要が高まると予測される東京近郊の人気エリアを集めてみました。
京王電鉄が力を入れている調布エリア
調布駅といえば、京王線で新宿駅の次に乗降車数が多い駅であり、商業施設、住宅地の両面で東京市部でも重要なエリアです。現在その調布では、京王電鉄により再開発計画が進んでおり、今後の不動産需要の高まりが期待されています。
もともと新宿駅まで特急だと20分弱で行くことができるエリアで、中央線沿線よりもマンション価格が安く、さらに京王線沿線には大学も多いので人気が高くなっています。
開発計画の中身を見てみましょう。調布駅付近の連続立体交差事業の実施によって生まれた敷地に、3エリアに分かれた商業施設を2017年に建設します。大型シネマコンプレックスの「イオンシネマ」が誘致されることが決定しており、調布駅前のシンボルとして存在感を発揮することが期待されています。
そのほかにも、タワーマンションや大型アリーナの建設予定もあり、若者からファミリー層まで、幅広い年齢層に魅力のある街となるでしょう。
小田急沿線で選ぶなら、人口も増えている海老名
小田急線は向ヶ丘遊園駅から新宿駅間の複々線化により、列車の本数が増えて通勤の便が大幅に改善されるため、その区間の駅周辺不動産の注目が高まっています。その小田急線でもう一つ注目をしたいエリアが海老名駅周辺です。
2015年10月に駅と直結した「ららぽーと海老名」がオープンしてすでに高い関心が集まっているエリアですが、海老名の開発計画は今後さらに進行する予定です。小田急線と相鉄本線、JR相模線と3つの路線が走る小規模なターミナル駅だけに、もともと鉄道交通の便は良いエリアです。
加えて、相鉄線が東急線と直通運転を開始することで関東東部を横断し、渋谷方面へのアクセス性が大幅に向上します。都心へ遊びに出掛けたい若者にとってもうれしい接続であり、若年層の需要増加が見込めるでしょう。
さらに、JRと相鉄線の直通化により、東海道新幹線の停車駅である新横浜駅まで1本で行けるようになります。出張の多いビジネスマンや、レジャーや帰省をするファミリー層にも便利になります。
西口を中心に、小田急線とJRの駅舎を結ぶように開発が続いています。高層分譲マンションを建設する「住宅エリア」と、オフィス棟とアパレルや飲食店などが入る商業施設、教育やフィットネスなどのサービス施設が含まれる「賑わい創出エリア」の2地区に分けて開発が進む予定となっています。
都心からはやや距離がありますが、神奈川中央部では厚木に次いで人気が高まっていくでしょう。
リニアモーターカー開通でがぜん熱視線集まる橋本駅
そして今後、劇的に再開発が行われそうなのが、京王相模原線、JR横浜線・相模線の2路線が通っている橋本駅(相模原市)です。橋本駅のホットな話題と言えば、2027年に予定されている「リニア中央新幹線」の開通でしょう。神奈川県内の停車駅として橋本駅付近が内定し、相模原市でもその開発計画を策定しています。
橋本駅は相模原市でも端のほうにあり、地価が安いことが魅力でした。始発が多く出る駅として需要もあり、商業施設も多くあります。ただ、都心部まで通勤時間がかかるということで、京王線の調布駅や府中駅、八王子駅などから遅れを取っていました。
しかし、リニア中央新幹線が開通すれば、品川駅-名古屋駅間はわずか40分。橋本駅から品川駅までは数分です。品川駅周辺に通勤をするビジネスマンにとって橋本エリアは、住居を構える土地として、選択肢に上がってくることが予想されます。
JR橋本駅南口地区を中心に、「広域交流」「複合都市機能」「ものづくり産業交流」の3つのゾーンに分けて開発計画が立てられています。また、京王相模原線・橋本駅もJR側に移設されることが決定しています。日本の新たな大動脈として、かつてなかったイノベーションが橋本駅周辺で起こるかもしれません。
地域の再開発は、上述してきたように鉄道会社の動向に注目をすると予測がしやすいです。交通の便が劇的に改善することによって、武蔵小杉は人気エリアになりました。今回紹介したエリアのように、“次なる武蔵小杉”を自分の目で見つけ、投資の対象として調査をしてはいかがでしょうか。