これまで不動産物件の運営では、管理会社の存在は不可欠でした。しかし、最近では自主管理をしたいという大家さんがふえてきており、大家さんを支援するサービスも登場しています。
というのも、毎月家賃の5%を管理費として支払うより、自主管理を行う大家向けの支援サービスを導入したほうが、維持費が安く済む可能性があるからです。そこで今回は、自主管理大家向けのサービスにはどのようなものがあるのかをまとめてみました。
家賃の管理はクラウドサービスで手軽に
大家さんの業務として最も重要なのは、入居者の情報管理です。どのような人間が住んでいるのか、家賃はきちんと毎月支払われているのかといった基本的な情報を把握しておかなければ、収支計算もおぼつかなくなるでしょう。
また、修繕費の管理や計画、履歴、入居者とのメール履歴なども記録しておく必要があります。細かい仕事が多いということもあり、こうした業務にはさまざまなアプリケーションソフトを使うと便利でしょう。大家業に関する業務を一つのクラウドアプリで管理できるサービスも登場しています。
あるアプリでは、所有物件の情報登録、入居者の情報や家賃支払い履歴などをすべて記録できるほか、掲示板やSMS機能もあるため、入居者との意見交換やクレーム対応が可能です。
もちろん履歴は残るので、後々どのようなやりとりをしたかを確認できます。年間収入の計算も簡単で、確定申告の資料作成に役立つでしょう。利用料は、たとえば管理物件100戸までで月額4,000円弱とリーズナブルなものもあります。
夜中でも安心!24時間駆け付けサービス
自主管理をする大家さんの悩みの一つに、深夜の時間帯に入居者からの水漏れや解錠などの問い合わせと対応があります。こういったお悩みには、「24時間駆け付けサービス」を提供している会社もあります。
このサービスを使えば、深夜に入居者が困るようなトラブルがあっても、指定の番号に問い合わせてもらえば、水回り・玄関の鍵・ガラス・電気設備・ガス器具などの非常トラブルに対応してもらえます。
24時間駆け付けサービスがオプション設定の場合は、利用料は一戸当たり月額わずか数百円ということもあります。また、コールセンターは24時間365日対応です。家賃50,000円の物件の管理料が2,700円程度であることと深夜対応がなくなることを比べて考えると、「駆け付けサービス」は自主管理をする大家さんの強い味方になってくれるでしょう。
入居者にメリットが大きいクレジットカード支払いサービス
多くの入居者にとって、毎月の固定費のなかでも家賃は大きな出費です。「家賃をクレジットカード払いにできないか」と聞かれたことがある大家さんも多いのではないでしょうか。たとえば7万円の家賃がクレジットカード払いにできて、入居者に1%のポイントが付けば、年間で8,400円相当がバックされる計算になります。入居者にとっては、決して無視できる金額ではありません。
法人ならばともかく、個人事業主がクレジットカードの支払いを受けるのは、なかなか難しいことです。そこで利用を検討したいのが、個人事業主でも利用可能な決済サービスシステムです。大家さんは入居者に決済用のアドレスを送信し、入居者はそのアドレスからクレジットカード支払いができます。また対面でも、端末を通じてカード払いが可能です。状況に合わせて、支払い方法が選べるわけです。
サービスは多言語対応もあるので、外国人入居者も利用できます。さらに、セキュリティ体制も整っていて、クレジットカード情報はアカウントに残らないようになっています。
気になる料金ですが、決済手数料は3.24~3.74%です。入居者にはそれぞれのクレジットカードに応じたポイントが付与されるため、「クレジットカード払いのポイントが付いてお得」とアピールできます。このサービスも自主管理大家さんの強い味方になってくれるでしょう。
サービスを取り入れることで大家さんにも入居者にも便利に
今回は大家さんの自主管理に便利なサービスを3つ紹介しました。もちろん、前述したサービスがすべてではありませんが、大家さんの自主管理をサポートしてくれる便利なサービスといえるでしょう。また、個人が不動産情報を掲載し、部屋探しをしている人にアピールできるサイトなど、さまざまなサービスがふえています。
時代の変化は管理の世界にも及んでいますが、大家さんは自身の得意分野、自由に使える時間などを考えながら、自主管理をサポートしてくれるシステムを上手に導入し、毎月の維持管理にチャレンジしてみることを検討してはいかがでしょうか。