近年は、働く場所を特定のオフィスなどに固定しない、フリーランスやノマドワーカーといった働き方が、当たり前のようになってきています。この人たちの多くが、仕事の場として選ぶのは、同じスペースを複数の利用者で共有する「シェアオフィス」です。一方のオーナーは、1社に物件全体を貸すよりも、高い収益性が見込めます。そこで今回は、シェアオフィスの特徴や収益性について、一緒に考えてみましょう。
増え続けるシェアオフィスの需要
これまでの日本では、新卒で就職した後、定年まで40年以上、ひとつの会社に勤め続けるのが一般的でした。しかし、最近は政府が「働き方改革」を推進しており、自宅勤務や週休3日制、遠隔地での仕事など、多様な働き方を推奨するようになっています。特に大企業ではこのような新しい働き方が可能になってきており、会社に毎日通勤して働くのではない、新しいワーキングスタイルが広がってきています。
フリーランスとして働くようになれば、自宅で勤務するという人も増えるでしょう。しかし、自宅を仕事場所にすると、「打ち合わせなどのスペースがない」「集中できる環境がない」「小さな子どもがいる」などの問題が、どうしても付きまといます。
そこで、新しい働き方をする人たちが、積極的に利用しているのがシェアオフィスです。働き方の多様化によって、シェアオフィスの需要はどんどん増えてきていると言われています。
シェアオフィスは築年数の古いビルでも可能!
不動産投資の観点からも、シェアオフィス投資にはメリットがあると言えます。
シェアオフィスにおいては、建物の綺麗さなどよりも、交通の利便性が重視されます。立地の良い物件であれば、築年数の古い商業用ビル内にシェアオフィスがあったとしても、それほど気にする人はいません。わざわざ家賃の高い建物ができてから間もない物件を借りるよりも、便利な駅近の築古ビルで十分だという人もいます。
もし、家賃や利用料金を下げることができれば、十分に競争力を高めて、利用者が集められるのではないでしょうか。
シェアオフィスの設備として必要なもの
シェアオフィスの設備面は集客対策として重要な要素の一つでしょう。パソコンなど仕事用のツールは、基本的に利用者が自分で持ち込みますので、投資しなくても構いません。個人ではなかなか用意できないもの、用意すると非常に高価になってしまう設備を用意しておくことがカギになります。
フリーランサーでも外部との打ち合わせの機会があります。そのため、エントランスやロビー、ワーキングスペースにはある程度お金をかけて、デスクやチェアも良いものを揃えておくといいでしょう。
特にデスクやチェアは、体に負担が少なく長時間労働でも疲れないようなものを用意すれば、業務に集中できます。自宅よりもはるかに快適な環境だと実感すれば、そのシェアオフィスを継続して利用する理由が生まれます。打ち合わせ用のスペース、会議室、テレビ会議システムも必要でしょう。これらは個人で用意しづらいものですから、直接的にシェアオフィス利用の理由付けになるのです。
Wi-Fiでの高速インターネット接続や、コピー機などの設備を設置する必要もあります。新聞や経済誌などの資料も用意しておけば、きっと重宝されるでしょう。こうした付加価値の積み重ねこそが、収益性向上に大きく役立つのです。
シェアオフィス経営は毎月の賃貸以外の収入も見込める
シェアオフィスでは、利用者に毎月一定の家賃を支払ってもらい、その賃料がオーナーの収入になります。普通の不動産賃貸と変わりませんが、シェアオフィスならではの収入を得る手段もあります。
例えば、会議室や打ち合わせスペースの利用料を取ることです。月極契約だけでなく、週や時間契約など、非常時の需要に対応することで、月極契約よりも効率的に収入を増やすことも可能です。こういった賃貸形式は、利用者の利便性を高めることになるでしょう。また、プリント代金やコピー代、各種デジタルデバイスのレンタル料など、設備からの収入も見込めます。ドリンクや軽食の自動販売機を置いてもいいかもしれません。
シェアオフィス経営に活路を見出そう!
シェアオフィス経営は、築年数の古いビルを活用して、高い収益性を得るのに適した投資なのかもしれません。最初は自分用のオフィスとして部屋を借り、その後、他人と一緒に働くワーキングスペースとして活用し、結果的にシェアオフィスとなるケースもあります。実験的に自分が利用すれば、その過程で必要なものや不要なもの、問題点もより見えてくるでしょう。
近年、ニーズの高いシェアオフィスに興味のある人は、一度チャレンジすることを検討してみてはいかがでしょうか。