投資をしたいと思っても、何から始めたらいいかわからない。いざ決意を持って資料を読んでみるものの、難しい言葉の連続で、結局あきらめてしまった。そんな経験をお持ちではありませんか?
今回は、投資をしたいと考えているものの、何から始めたらいいかわからないという方のために、多くの方が行っている代表的な投資方法をご紹介させていただきます。もし、投資に興味がある方は、それぞれの特徴を踏まえて、プランや予算にあった商品を検討されてみてはいかがでしょうか?
株式投資
株式投資というと「たくさんのお金を持っている人がしている」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
株式とは企業が事業資金を調達するために発行しているものです。
まずは売買注文の窓口となる証券会社に口座を開設し、必要な資金を入金し、注文スタートです。1株から自由に売買できる単元未満株を利用すれば、少額で株式投資できる可能性が広がります。
ただ単に金銭的なリターンだけではなく、株式市場の動きを見たり、経済や社会の仕組みや世の中のニーズを知ることができ、「ビジネスに生かせる」というところも株式投資の魅力でもあります。
FX
FXとは外国為替証拠金取引のことであり、一定の証拠金を差し入れて行う外国為替取引のことです。為替レートの変動を利用して売買差益を追求します。通常の外国為替取引では、円安局面でも円高局面でも関係なく、利益を追求できるのがFX投資の大きな魅力になります。
FXは少ない資金で大きな取引ができる点がメリットであり、大きな利益も得られます。またFXは自分の生活スタイルに合わせて便利な取引ツールが充実している点も魅力の一つです。PCや携帯、スマートフォンやタブレット端末から、忙しい朝にはスマートフォンで、夜はじっくりパソコンと生活スタイルによって取引ツールを使い分けることができます。
債券
債券は国、地方公共団体、企業、または外国政府などが一時的に一般の投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するものです。株式との違いはあらかじめ利率や満期日などが決められて発行されるという点です。
債券は確実な収入利子や償還時において収益や売却によって投資利益を得られる金融商品です。満期日に額面金額が返金されることが約束されているので、安全性の高い金融商品です。よって利子収入を目的に資産運用ができます。また発行者が償還や利子の支払いが確実に行われるように債券発行においてさまざまな規定が設けられており、債券償還の安全性を高めています。
投資信託
投資信託(ファンド)とは一般の投資家から集められたお金をまとめ、数十〜数百もの株式や債券などに投資する金融商品です。その成果が投資額の割合に応じて投資家に還元される仕組みになっています。投資信託の利点は4点あります。
1点目は、1万円から購入できることであり、少額からチャレンジできるのが大きな魅力となっています。2点目は日本株以外にも世界中の債券に投資でき、個人では難しい投資対象にも投資できる点です。3点目は運用のすべてを投資の専門家である運用会社が考え、実行してくれる点です。4点目は、値下がりした銘柄があっても、別の銘柄の値上がりが期待でき、投資のリスクの分散を図れます。
国内不動産
不動産投資信託は投資家から集めた資金で不動産投資の専門家や資金運用会社がオフィスやマンションなどの不動産を購入し、厳選した不動産への投資を行い、運用するというものです。
不動産の維持や管理についても、資金運用会社が選定した専門の管理会社によって行われるので安全性が高く、購入した不動産を賃貸することで、その賃貸収入や売却益から費用を差し引いた残りの収益を投資家に分配します。不動産投資は現物不動産への投資に比べて、少額の投資単位から購入できる点も大きな利点です。また金融商品取引所に上場している銘柄は、高い流動性や換金性を確保されています。
先物
先物・オプション投資はレバレッジ効果で少ない資金で大きな金額の取引ができることが魅力です。銘柄の選択が不要であり、日経平均株価を対象とする「日経225先物」や「日経225オプション」であれば、個別の銘柄選びの手間も省け、ややこしさがないことも特徴です。
先物取引は「売り」からも行うことができるので、下落相場でも収益のチャンスがあります。オプション取引の場合には、相場が動かない時にも収益できることから、どんな相場であっても収益を得られる可能性があります。保有している株式等の株価下落時のカバーにも利用可能なこと点も大きなメリットといえるでしょう。
金
不況の中でも価値が下がらなかったことから、近年注目が高まっているのはゴールド投資です。金は株や債券のように企業等が発行するものではないため、倒産や廃止といった価値がゼロになるリスクがありません。経済が不安な時でも価値が急落する危険性はなく、非常に安定性の高い資産です。
金による投資には純金積立など多くの方法があり、初めての人でも堅実に資産を増やせる投資法も確立されていることも特徴です。また金の価値は万国共通のため、市場も世界中にあり、どの国でも現金交換できるのも金による投資の強みとなっています。金は不動産などと違い、所有していても固定資産税がかからないことも利点といえます。低リスクかつ着実に資産を増やすことができます。
年金商品
運用実績に応じて将来の年金額が変動する保険商品のことを投資型年金保険といいます。保険料は特別勘定で運用され、複数本用意されており、投資信託が特別勘定の主な投資対象として選定されています。
運用期間中には、特別勘定間で運用実績に相当する積立金を移転することも可能です。運用期間中、被保険者に万一のことがあった場合でも、死亡時の積立金額が死亡給付金として支払われ、積立金額が払込保険料を下回る場合でも、払込保険料を最低保証しているケースが一般的になっています。
運用期間終了後は、年金または、一括での受取となり、年金での受取時は確定年金・終身年金など多様な年金受取方法を選択することができます。保険金の支払いはまとまった金額を一時払いする商品が多く、運用期間中は課税繰り延べ効果など税制面でのメリットがあるのも特徴的な商品です。
外貨預金
外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロ、豪ドルなどの外貨に替えて、資産を運用することをいいます。前項で触れた外国為替証拠金取引(FX)は、金利の低い通貨を売り、金利の高い通貨を買うことで利益を出していますが、外貨預金は資産を外国の銀行に預け、高く設定された金利で利益を出す投資法です。
馴染みがある銀行のシステムや為替のシステムを使用しているため比較的ハードルが低く、為替収益が得られやすいことが魅力ですが、かつては外国為替証拠金取引(FX)と比較し、手数料が高い点などが問題点として指摘されていました。
しかし、ここ数年利用者が増えて取扱う金融機関も増加する中で、徐々に手数料も下がり、そのときどきの為替レートの変化にも柔軟に対応できる仕組みが整備されつつあります。
海外不動産
国内の不動産投資は身近でわかりやすく、土地勘もあります。また、国内のローン金利が低く、借入も高い比率で実行可能であり、ローンを組みレバレッジをかけた投資がやりやすいという利点があります。
しかし、日本の不動産市場は少子高齢化などにより長期的には物件やエリアによって賃貸市場に大きな格差が発生すると考えられ、投資対象の選択が非常に難しいというのが現実です。
一方、海外不動産投資は人口が増え、成長率の高い市場で投資できる利点があります。海外不動産の魅力は、家賃収入が将来的に上昇する可能性があることです。インフレが進み所得水準が上がる国では、所得の向上とともに家賃も上昇していくことは一般的です。
終わりに
もし投資で成功したいと思ったら、あなたの予算やプランに見合った商品選びが非常に大切になります。
一見複雑に見えるものも多いですが、それぞれの特徴を把握したうえで、後悔のない投資を検討されてみてはいかがでしょうか。
参考:
・ポケット図解 最新株・証券用語がよ~くわかる本 石原敬子 (秀和システム)
・証券分析・投資運用用語辞典 日本証券アナリスト協会 新井富雄 (ときわ総合サービス)