アパート経営は会社に勤めるサラリーマンでもでき、年収300万円台の若い人たちでも十分に可能です。以前は「年収500万円以上」といわれていましたが、現在はハードルが下がってきています。
アパート経営では、銀行ローンを組んで物件を購入するのが一般的です。銀行の融資条件の緩和や融資利率の低下など有利な条件が後押しして、副業として不動産投資するサラリーマンがふえています。本稿では、サラリーマンが副業としてできるアパート経営について紹介しましょう。
アパート経営は金融商品よりも安全?
サラリーマンが投資で副収入を得たいと考えた場合、多くの人が最初に頭に浮かぶのは株やFXなどでしょう。比較的少額の資金ではじめられ、大きなリターンも期待できます。
しかし、運用で利益を出すにはそれなりの知識と経験が必要です。また、知識や経験があっても、予期せぬ暴落で損失を被るリスクはゼロではありません。国債や投資信託などは、金融商品として安全性が高い半面、収益率は低く副収入と呼べるほどのリターンは期待できないでしょう。
一方、アパート経営は収益性がありながら安全性も比較的高い投資といえます。なぜかというと、不動産は急激な価格変動が起こりにくいからです。経年劣化による価値の下落はありますが、短期間で大きく値下がりすることは少なく、何らかの事情で売却することになったとしても、ある程度の評価額で売却することができます。
また、家賃は安定収入です。マンションの区分所有で1室のみを保有している場合は、それが空室となっている期間は家賃収入がなくなり、ローンの返済で持ち出しになってしまうリスクはありますが、一棟アパートならば、数室が空室となっても他の入居者から家賃収入を得られるので、リスク分散が図れます。
マンションよりもアパートのほうが経営効率は高い
一般的に、マンションは鉄骨造、あるいは鉄筋コンクリート造です。一方で、アパートは木造であることがほとんどです。当然ですが、耐久性はマンションのほうが格段に高くなります。それと同時に価格も格段に高額になります。新築のみならず、中古物件であってもその差は同じです。
サラリーマンが副業でアパート経営する場合、最初の購入物件としてのおすすめは中古アパートといえます。中古アパートは、中古マンションより安く購入できることが多いためです。ローン返済額も小さく、また支払期間も短くなります。
家賃収入はマンションよりも低いものの、早い時期にローンが終わり、その後の管理・維持費を除けば家賃収入の大半が利益になることを考えると、中古アパートのほうが経営効率は良いと考えられます。
また、サラリーマンの多くは会社を退職後、貯蓄と年金を生活費にあてることになります。しかし、年金制度に大きな不安が出てきている今、将来十分な額の年金を得られるかどうかわかりません。勤めている間にアパートを購入し、退職前にローンの返済を終えれば、退職後は年金に加えて家賃収入も得ることができます。たとえ将来、年金支給額が減らされても、それに頼ることなく毎月安定した収入が得られるでしょう。
さらに、将来の景気動向は誰もわかりません。もし仮に、激しいインフレやデフレになったとしても、不動産の相対的な資産価値は景気動向で大きく左右されることはほとんどないといえます。加えてインフレになれば、物価上昇に合わせて家賃も上昇します。このように、不動産はインフレに強い資産といえます。
まずは中古アパートから
中古アパートは低予算で購入できますが、中古とはいえやはり不動産です。他の買い物より高額になり、銀行でローンを組むことがほとんどです。ここで理解しておくべきことは、自分が住む家の住宅ローンと、投資用の不動産を買うための不動産投資ローンは全く別のものであるということです。
住宅ローンは、家を購入する人の「属性」、つまり、年収や勤務先の規模、安定性などが重要な条件になります。購入者自身が審査されるという言い方もできるでしょう。しかし、不動産投資ローンは、購入者よりも不動産物件の収益力が審査において重視されます。
駅からの距離や家賃額、築年数、広さ、部屋数、現在の入居率といった要素で、その収益力が判断されます。さらに、家賃収入に対して購入額が妥当かどうか、ローン返済が可能であるかなども審査されます。もちろん、購入者の収入や勤務先の審査も行われますが、購入物件のほうに審査のウェイトが置かれることが多いようです。
管理は専門会社に委託
アパート経営の業務は広範囲です。家賃管理や共用部分の掃除、補修、修繕などさまざまです。実際に購入すればわかりますが、会社の休日だけを使い、サラリーマン大家が1人で対応できるものではありません。やはり、管理会社にアパート管理を委託するのが賢明です
月々の管理費はかかりますが、自分1人で対応に駆け回る手間と労力を考えると、決して高いものではありません。優秀な業者に管理を任せられれば、アパート経営がスムーズになりますし、入居者からも信頼されます。
アパート経営は、若いサラリーマンにも可能です。むしろ、若いうちにはじめるとローンも早く終わり、十分な安定収入を長く得られるようになります。また、アパートを一棟持てば、それを担保に融資を受けて新しい物件を購入し、複数物件を同時に経営することも可能です。
なかでも、中古アパートの経営は初心者にもはじめやすく、決して手の届かないものではありません。なんとなく「難しそう」と思っている人は、一度検討してみてはいかがでしょうか。人生が大きく変わるかもしれません。